外国人をビジネス接待する時には、相手が日本人である場合よりも何かと悩んでしまうものです。
その背景には、やはり文化や習慣の違いから生まれる作法の違いなどから、相手が不快になってしまわないかどうかというポイントではないでしょうか?
本記事では、外国人をビジネス接待する時に気をつけるべきポイントと、おすすめの接待方法について紹介します。
この記事を読めば、外国人とのビジネス接待を円滑に企画するヒントを得ることができますよ。
ぜひインターナショナルな接待の企画の参考にしてみてくださいね。
海外の接待事情
海外と一口にいっても、それぞれ文化や習慣が違います。
こちらでは、アジア、欧米、アラブ諸国といった文化圏の接待について紹介します。
欧米諸国からの外国人接待の事情
欧米の接待は基本的に食事が中心です。アジアほど接待が推奨されていませんが、全くないわけではありません。
場合によっては、就業時以外での会食やプレゼントは全て禁止とされている立場(公的な役職)の人もいるので、事前に配慮することも重要ですが、一般的には会食などの接待は普通にあります。
会食以外の接待でアメリカで多いのは、企業が企画するチャリティーイベントに招待するタイプの接待です。
チャリティーゴルフやチャリティーオークション、チャリティーパーティーなど、自社企業が企画する慈善事業に接待したい企業の関係者を招待します。
そしてスポーツ観戦やコンサートに一緒に行くといった接待もあります。
なので日本に来日した欧米人の接待には食事会を中心に、ゴルフ接待や日本文化体験、祝賀会などの接待は自然に感じるでしょう。
アジア圏からの外国人接待の事情
中国をはじめとするアジア圏の外国人をビジネス接待する場合、気をつけなければならないのが「相手のメンツを立てる」ということです。
特に中国や韓国では、目上の人に対しての失礼な態度は、ご法度になるので気をつけましょう。
乾杯したら一口は飲むようにしましょう。乾杯をすることが交流を深めると考える人が多い傾向にあります。
ただ中国本土ではなく日本での接待になるので多少の違いはありますが、食事は余分に注文して残すという習慣があるということも、頭の隅に置いておきましょう。
お酒に自信のある人でも、二次会まで常にグラスを空にし続けるのは、どんなにお酒が強いとしても辛いです。なのでバランスをみながらお付き合いできるといいですよね。
アジア圏のほとんどの接待は会食と二次会といった流れがメインです。
会食は落ち着いた場所でゆっくりと懇親を深めるという雰囲気なので、落ち着いたお店を選択するといいですよね。
二次会はカラオケやキャバクラなど賑やかな場所が好まれます。VIPルームのような個室での接待が特別感があり人気だそうですよ。
とにかくアジアの接待は、お酒を飲む場でもあるので、自分の健康状態をきちんと見極めながら接待に挑みましょう。
アラブ諸国からの外国人接待の事情
アラブ諸国では宗教上の理由からお酒を飲む人がほとんどいません。
そのため、お酒を飲みながらの接待は絶対に企画しないようにしましょう。
アラブ諸国での接待は、家庭に招いての食事会が基本です。しかし、諸外国の習慣に習って、ホテルやレストランでの食事を受け入れる人も多くいます。
日本で接待を行う場合、自宅にたくさんの人を受け入れることが難しいようであれば、自宅のような雰囲気のある料亭の個室や離れなどの部屋を準備しましょう。
そして左手でものを食べたり左手でものを渡す、握手をするといった行為もご法度です。かなり無礼になるので気をつけたいポイントです。
文化や習慣の違いをきちんと事前に知ることで、大切な接待がうまく進みますよ。
外国人ビジネス接待で気をつけるべきポイント
こちらでは、外国人との接待をする時に、特に気をつけるべきポイントについて3点紹介します。
外国人との食事
外国人との接待でも、やはり会食が基本になるのではないでしょうか?
その場合には、外国人の接待にふさわしいレストランを押さえて、接待に挑みましょう。
会話がお互いストレスにならないように、なるべく静かな、できれば個室などが望ましいですよね。
そして、宗教や健康上の理由など、食べられないものがある場合にも、対応できるようなメニューがあるお店を選ぶのもポイント。
ハラル食やヴィーガン食があればご自分で選んでいただけるので安心です。あるいは事前に伺っておきましょう。
訪日されている外国人とのビジネス接待なら、やはり美味しい和食が楽しめるお店や、日本らしい体験ができるお店がおすすめです。
短くて忙しい滞在期間の間、すこしでも日本を体験して見たい人は多いので、よろこんでいただけますよ。
おすすめ関連記事:【これで分かる】懐石料理で外国人をおもてなし接待
ビジネス接待とお酒
接待でお酒が入ることは多くありますが、お酒の嗜み方も文化によって違いがあるので注意しましょう。
アジア、特に中国と韓国では、乾杯をしてグラスを掲げたら、かならず飲み干してからにする習慣があります。
特に強いお酒であればあるほど盛り上がる傾向にあるので、場の空気を読みすぎて飲みすぎないように…。
どうしてもお酒が飲めない、またはたくさん飲みたくない時は、健康上の理由で飲みたいけど飲めないということを伝えます。
欧米ではお酌するという習慣はなく、相手のグラスが空になったからといって、注ぎ続けることはしません。逆に失礼になるので控えましょう。
自分のグラスと相手のグラスが空になっていたら「もういっぱいいかがですか?」と伺ってから注ぎ、相手に注いでから自分のグラスにも注ぎます。
アラブ諸国は宗教上の理由からほとんどの人が飲みません。お酒の場を設けること自体が失礼にあたるのでお酒以外の方法で接待を企画することをお勧めします。
おすすめ関連記事:日本酒体験で外国人をおもてなし! 人気の理由とお勧め日本酒5選とイベント事例6選
外国人接待の時のお土産
日本はお土産の習慣が根強いので、接待に手ぶらという感覚はなんだかとても居心地が悪いですよね。
しかし、お土産の習慣は世界共通ではなく、接待でのお土産は、時として賄賂のように感じる人もいます。
なので、日本にはお土産という習慣があり、どうしてもプレゼントを渡したい、ということを伝え、負担にならないものをえらびましょう。
しかし、アジア圏の外国人には、日本と同じくお土産文化はとても重要になります。
相場感覚も日本に似ているので、日本らしいものの中から素敵なものを選ぶといいですよね。
特に中国ではお返しはどんな時でも同等のものを選びましょう。受け取った物や事より高いものや安い物は失礼に値します。
一方、欧米諸国では賄賂のように感じるような高級なお土産は受け取ってもらえないことが多く、小さなプレゼントや思い出の品を差し上げるようなお土産が望ましいです。
このように、国によってお土産の価値観が違うので、相手の国や文化を尊重してお渡ししましょう。
訪日外国人への具体的なビジネス接待方法
では、訪日外国人に向けたビジネス接待にはどんな方法があるのでしょう?
こちらでは外国人とのビジネス接待に有効な具体的な方法を紹介します。
会食接待
一番気軽にセッティングできる接待といえば、やはり会食ですよね。
外国人とのビジネス接待を企画する方法は、日本人同士の接待企画と同じになります。
日本人同士と違って気をつけるべきポイントは、宗教や習慣、文化の違いを尊重しながら共にお食事をすることです。
そして、お互いの会話の聞き取りやすさを配慮して、静かなお店を選ぶことをおすすめします。
できるのなら、個室の用意があればおちついて接待できるので安心ですよね。
訪日外国人の多くは美味しい日本食を食べて見たいと考えているので、やはり接待会食にも素敵な日本料理が楽しめるお店をチョイスしてみれば喜ばれますよ。
おすすめ関連記事:外国人接待におすすめしたい東京のレストラン・居酒屋17選
スポーツ接待
スポーツ接待の代表に、やはりゴルフが挙げられるのではないでしょうか?
トランプ元アメリカ大統領の国賓接待で話題になった、ゴルフ接待。アメリカを始め、ゴルフで接待は世界共通とも言えます。
都会を離れ、大自然の中共に汗をかきながらコースを回る内にお互いの心が近づいてゆくゴルフ接待の魅力は、やはり衰えません。
そして近年、健康に気を遣うビジネスパーソンは増加の傾向にあり、特に30代後半から40代の人物に多くみられる、心身ともにポジティブな効果のあることへの価値を見出すウェルネスへの思考が主流になっています。
ウェルネス思想を大切にする人物への接待には、豪華な食事や飲酒ではなく、スポーツでの接待が好印象を与えてくれるでしょう。
接待×スポーツはいろいろな組み合わせができます。
ゴルフ以外にも、スカッシュやクライミング、ジムにヨガといったスポーツを接待に取り入れる方法も人気がありますが、訪日外国人のビジネス接待にスポーツをと考えるのなら、武道×接待がおすすめ。
日本には空手、柔道、弓道、剣道、合気道、相撲といった多くの武道が存在します。
日本の武道は海外でとても人気があるので、個人的に嗜んでいる人も案外多く、日本で武道を体験することに感動を覚える人が多い傾向にあります。(参考:スポーツ省 武道ツーリズム https://sporttourism-japan.com/budo.html)
武道をキーワードにした接待を企画して、共に汗をかきながらお互いの距離を縮めてみてはいかがでしょうか?
おすすめ関連記事:【富豪層 外国人向け】オーダーメイドの相撲体験!国技でVIPおもてなし接待方法
観光接待
会食以外で訪日外国人の接待に人気なのが、観光接待。仕事の合間の休日に、日本を観光案内してさしあげる接待になります。
道中、ずっと一緒なのでお互いの距離も縮まりますし、観光接待を上手にエスコートできれば、あなたのポイントもぐっとアップします。
観光接待では、あらかじめ喜んでもらえそうなエリアを押さえ、相手の好みに合わせて予定を組み立てましょう。
VIPや富豪層のお客様の場合、予定をその場で変更される人が多いので、時間に余裕を持って企画することがポイントです。
東京の接待観光におすすめスポットを以下の記事にまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。
・外国人接待にぴったりな東京観光!エリア別おすすめスポットを紹介
そして、朝から夜までの1日観光案内をするのなら、途中で日本文化体験を予約するのもおすすめです。
日本文化体験は、茶道体験から日本舞踊、和太鼓に武道など、日本伝統文化をキーワードにした外国人向けの体験にはさまざまな可能性があります。
大切なお客様にはオーダーメイドの日本文化体験企画もできるので、かなり特別な体験として喜ばれますよ。
日本文化体験で接待
日本文化体験とは、外国人が日本文化を体験するプログラムになります。
茶道や華道、空手や書道に日本料理から飴細工まで、日本伝統芸能の全てを、専門家の指導を受けながら体験できるのです。
なので、日本文化を実際に体験していただく接待は、日本文化理解を深めながら親睦を深めていくというメリットがあります。
内容は日本伝統文化の数だけ可能性があり、オーダーメイドならご要望に合わせてプログラムできるので、接待にぴったりなんです。
では、次の項目から外国人のビジネス接待に人気の日本伝統文化体験を5選紹介しますね。
日本文化体験のおすすめ関連記事:外国人に人気の日本文化体験!おすすめの体験型観光&VIP接待12選
茶道体験で外国人を接待する方法
国賓のおもてなしでも必ず企画される茶道接待は、外国人接待にふさわしい日本文化体験です。
なぜなら、静寂につつまれた茶室で静かにお茶を一杯いただくことに、その緩やかな時間の中には、日本の茶道にはおもてなしの心が息づいているからです。
アラブ諸国のお酒で接待できない外国人との接待には、特におすすめしたい内容です。
一杯のお茶をいただくだけではなく、実際に着物を着て自分でお手前をしてみるプランも人気です。
茶道には深い思想がありますし、お茶の道具は外国人から見るととても魅力的で、芸術的な価値が高く興味深い世界でもあります。
また、和菓子も外国人から人気があるので、和菓子づくり体験とセットで楽しまれる人もいらっしゃいます。
茶道を大切なお客様に体験していただきながら、ゆるやかに重要な話をすることもできますし、何より忘れられない時間をお届けすることができますよ。
おすすめ関連記事:【海外駐在員が実践】茶道と着物でおもてなし
空手体験で外国人を接待する方法
空手は外国でも人気の日本の武道です。
世界の空手愛好家はおよそ1億3000万人以上にのぼり、世界193の国で普及していると言われています。
なので、接待の相手が空手愛好家という場合もありますし、子供の頃習っていたという人も案外多いのです。
一度も空手を嗜んだことがないという人に対しても、空手は学びやすい武道として人気があり、子供からお年寄りまで日本でも人気がありますよね。
その理由には、空手は武道でありながらも直接格闘するのではなく、型を覚え身体の動きやバランスを整えながら精神を集中させていくというプロセスがあるからです。
空手の接待とは、胴着に着替え、空手家による直接指導を一緒に受けながら、型をマスターしていきます。
スポーツ接待の一種ですが、日本文化体験として体験できるので訪日外国人に対しての接待として期待されるのです。
おすすめ関連記事:【空手の基礎知識】外国人にも分かり易く英語で説明
芸者で外国人を接待する方法
芸者は日本の伝統文化を継承するエキスパートであり、接待のプロフェッショナルとして日本経済を支えてきた存在です。
外国人の接待の場に芸者を呼ぶという接待方法もありますが、芸者はいちげんさんお断りの文化が根強いため、なかなか個人的に芸者を用意することは敷居が高いですよね。
外国人向けのオーダーメイドプランでは、芸者体験を個人的にご用意することができます。
芸者を呼ぶメリットは、日本舞踊のプロであり、その場を盛り上げるおもてなしのプロという側面です。
日本舞踊は海外の女性からも人気が高い日本の伝統芸能です。一昔前は芸者と言えば男性向けの日本文化体験というイメージでしたが、近年外国人女性からの人気が高まっています。
その背景には、芸者の美しさや気配りの高さなど女性から見ても憧れを感じる存在であるということがあげられます。
このように、芸者は外国人向けの日本文化体験であり、女性にも男性にも喜んでいただける存在なのです。
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生け花体験で外国人を接待する方法
生け花体験は、外国人に人気のある文化体験の一つです。
生け花は武士の嗜みとして始まり、多くの武将が合戦前に神経を集中させるために花を活けたと言われています。
適材適所を瞬時で見極め、決断の連続をしながら花がそこにあるように活ける生け花は、ビジネスパーソンにぴったりなんです。
日本庭園が見える和室を会場にして、着物を着ながら日本の花材を日本の花器に活けていくなど、アイデア次第でより日本風情を感じる体験として提案できます。
生け花の後に、茶室で一服いただくのもいいですよね。
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歌舞伎体験で外国人を接待する方法
歌舞伎体験での接待で好評なものは、プライベートな和室にお食事会食を用意しながら、歌舞伎を鑑賞していただくプランです。
歌舞伎は本来、歌舞伎座など特別な劇場に足を運んで鑑賞していただく日本文化体験。
ですが、外国人向け接待のために用意するオーダーメイドプランでは、本物の歌舞伎役者を接待会場に呼び寄せて演技していただきます。
モテナス日本では、演技だけではなく上演前に歌舞伎役者からの歌舞伎説明があるので、歌舞伎が初めての外国人にもわかりやすいと評判です。
上演の後は、歌舞伎役者と記念撮影もできますし、歌舞伎についての質問など直接できるのも人気がありますよ。
このように歌舞伎体験で接待は、かなり特別感のあるおもてなしとして人気があります。
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まとめ
いかがでしたか?
今回は外国人のためのビジネス接待についてご紹介しました。
相手が外国人でも、接待は円滑なビジネスのためにやはり重要なポイントです。
相手が外国人であればどのような点に注意しておくことがいいのか悩みますが、相手の文化や習慣を事前に理解した上で企画していけば必ず円滑な時間を過ごすことができるでしょう。
訪日外国人に対してのビジネス接待なら、日本独自の文化体験を接待に取り入れることで、他では体験できないような特別な時間をお届けすることができます。
モテナス日本では多くの企画をオーガナイズさせていただいておりますので、気になる時はお気軽にご相談ください。
ぜひ素敵な接待を企画してみてくださいね。
私たちは日本独自のおもてなし文化を世界の人々に広めるために日夜努力しています。外国人ゲストの接待・おもてなしに関するご相談もお気軽にお問い合わせください。