客人は「神」のように敬うと言われるインド人。
そんなインドからの大切なお客様を接待するのなら、やはり徹底した接遇でのおもてなしをご用意したいですよね。
本記事では、インド人を接待するために知っておきたいインドの習慣や基礎知識と、インドのビジネスマナーをお届けします。
インド人の特別なおもてなしにぴったりなオーダーメイドの日本文化体験を5選ご紹介しますよ。
インド人の接待が決まったらぜひ参考にしてみてくださいね。
インドのビジネスマナーについて
ここではインド人のビジネスマナーをご紹介します。
インド人の国民性と、知っておきたいインド・ビジネスマナーの基礎知識を知ることで失礼のない対応ができますよ。
インド人の文化背景と宗教
インドの人口はついに中国を超え14億756万人になりました。
インドの首都はインド北部のニューデリーで公用語はヒンディー語で、地域によって文化や宗教が異なります。
インド北部の人たちは、アグレッシブでアクティブな人が多い傾向で、南方に行けば行くほどゆっくりとおおらかな人が多いと言われています。
インド人の多くはヒンドゥー教で、国民の80%が当てはまります。
またモディ政権のヒンドゥー教改革も進められています。
イスラム教が14%を締めますが、モディ政権でのイスラム教弾圧が進み、文化的衝突も起こっています。
また、仏教発祥の地で日本人的には仏教のイメージが強いのですが、仏教徒は案外少なく人口の1%未満にあたり、キリスト教徒よりも少ないと言われます。
その他にも、ジャイナ教徒やシク教徒も多く、食事のタブーが多い宗教なので接待では注意が必要です。
参照:ダイヤモンドオンライン「ヒンドゥー化が急速に進むインドで起きている深刻な問題とは」
外務省「インド共和国(Republic of India)基礎データ」
第一印象がとても大切
インド人とのビジネスにおいて、第一印象がとても大切と言われています。
インド人はとても清潔感を重要視するので、服装や髪型など清潔感のある人を尊重します。
スーツやワイシャツにシワやシミがあるなどもってのほかなので、インド人と初めて面会する時は、みなりをしっかり整えましょう。
また女性は、あまり派手な服装やボディーラインを強調した服装では信用されません。
初対面では特に清潔感のある装いが推奨されます。
ビジネスの相手として尊重されることが大切なので、男性女性共に身だしなみには注意が必要です。
インド人のビジネス感覚
「インドに企業進出するのなら会社理念にどちらの地方が合うのか事前に調べたほうがいい」と言われるほど、地域によっての民族性の違いが顕著に見られるのです。
傾向としては、北部の人はアグレッシブで南部に行けば行くほどおおらかな人が多いと言われています。
そして最近のインド人は、MBAを取得しているエリート層が多く、年功序列という意識が低くなっています。
キャリアアップの転職をしながらスキルを磨く人が多いので、担当者が突然変わることも多々あります。
日本とインドのビジネス感覚の一番大きな違いは、日本では正確さが強く求められますが、インドではスピードが一番重要になります。
マルチタクスをこなせる人が多いと言われるほど業務遂行のリズムが早いので、日本企業の対応を遅く感じるインド人が多くいるとも言われます。
しかし反対に日本人からするとミスが多いと言われるので、確認作業はしっかりと行いましょう。
参照;東洋新聞「インドで年功序列”ほど、ナンセンスはない」
インド人の時間の感覚
インド人はとても時間にルーズな国民性というイメージがありますが、ビジネスの上では一概に当てはまりません。
スピードが重視されているインドビジネスシーンでは、日本の企業の対応が遅いと感じるので、メールなどの返信は早急にしたほうが賢明です。
しかし、スケジュールはあくまで目安として考えたほうがいいという意見もあります。
確認作業が日本ほど徹底していないので、ミスがあり納期が大幅に遅れるということもあり、お互いのコミュニケーションが重要になります。
その一方でとてもせっかちな場合もあり、顧客側がインド人の場合には相手の都合に合わせるように求められることもあります。
スケジュールや時間の感覚は、あくまで状況によって変動するので、相手とのコミュニケーションをしっかりと作ることが大切です。
そしてインド人とのビジネスで多くの場合、パーティーなどの懇親会が多く企画されます。
必ず30分は遅刻して行くのがマナーとされ、ゆっくりとした雰囲気が好まれるのです。
すでに知人の関係なら、その場合はちょっとした手土産を持参するのですが、日本のように消え物系のプレゼントより、記念になるような贈り物の方が喜ばれる傾向にあります。
特に、直接相手の顔を見てコミュニケーションを取ることに重要視する人が多いので、チャンスがあればお会いできるようセッティングをしていきましょう!
インド人のビジネス挨拶の方法
伝統的なインドの挨拶は手のひらを合わせ、’Namaste’ (ナマステ)か ‘Namaskar’ (ナマスカ)と少しお辞儀をし言います。
インド人の挨拶は基本的に握手になります。
しかし、女性への挨拶は手を胸の前で合わせ「ナマステ」と膝をそっと曲げる仕草をします。
国際的に活躍する女性は積極的に握手を求めてくる人もいるので、差し出されたら握手をします。
この場合、あくまでも女性から求められた場合飲み対応しましょう。
インドではお辞儀をしないので、頭を下げて挨拶をするより、相手の目をしっかり見て挨拶しましょう。
インドでも名刺交換はしますが、日本より気軽な感覚で行われます。
しかし日本企業と何社も交流している相手ならしっかりと日本風の名刺交換も熟知しているので失礼のない態度で。
参照:インド進出ブログ/東京コンサルティンググループ「インドでビジネスマナー講座その5」
インドのビジネス接待
電話やメールではなく、相手を直接知ることがビジネスをする上でとても重要視するインド人。
やはり接待もとても大切になってきます。
ここではインドのビジネス接待についてのポイントを紹介します。
インド人のビジネス会食の注意点
インド人の多くはベジタリアン。
なので会食の際には事前の確認が必要です。
宗派や宗教によっては、卵も魚も食べない人も多いので必ず事前に注意が必要です。
特に南方出身の人はベジタリアンが多いのでお相手の出身地や企業の場所を事前に確認することも大切です。
ベジタリアン以外でも牛肉を食べない人やハラール食の人が多いので、会食の席には、鳥、羊、魚が無難な選択になるでしょう。
イスラム教徒のインド人も多くハラールフードが必要になります。
ヒンドゥー教徒は牛を食べませんし、ジャイナ教徒はレンティスと呼ばれる植物と穀類のみを食べます。
野菜も食べないのでかなり注意が必要です。
とても注意したいのは、インドでは一度口をつけた料理は「汚れたもの」とされるので、すでに自分が食べたものを他人とシェアすることはありません。
なので鍋料理など、日本料理で一つの料理を分け合う形式の料理には抵抗のある人もいるので注意が必要です。
インド北部の人は基本的にスプーンで食事を取りますが、南部の方では手で食べることが多いので、他の国の外国人より箸を使えるインド人が少なくなります。
インド人に喜ばれる料理とは?
また、インド料理はとても辛いものが多く、日本の和食の味が全く合わない人がいるので、人によっては懐石料理が苦手という人も多く見られます。
インド人の接待には、焼き鳥がおすすめです。
辛いものも好きですが甘いものが好きな人が多く、焼き鳥のタレが人気を読んでいます。
またインド人は油料理が好きな人が多く、ベジタリアンメニューに対応する場合が多いですし、天ぷらもおすすめです。
また、インドでは新鮮な刺身を食べれることがほとんどないので、寿司が食べれない人も多くいます。
もちろん、国際的なビジネスを展開するビジネスマンの多くは食器を使うことができますが、和食をご案内する際に、せめてフォークなど食べやすい食器を用意しておくのも配慮になりますよ。
参照:LIVE IN NIHON「インド人と食事をするまえに知っておきたい5つのこと」
インド人とお酒のマナー
インドではヒンズー教を信仰するひとが多数派です。
ヒンズー教徒の規範とされている「マヌ法典」では、お酒を飲むことは「五大罪」の一つ。
。
そして、人口の約2割はイスラム教徒で、こちらも酒が御法度です。
なので、インドでは飲酒に対してとても厳しい不寛容さがあります。
女性がアルコールを飲むことははしたないという考えがありますし、「禁酒州」があります。
飲酒はデリーでは25歳から、ムンバイでは21歳以上になり、日本よりだいぶ厳しい年齢制限があります。
こうした背景から、接待でお酒の席を用意することはマナー違反になることも。
特にマハトマ・ガンジーの誕生日である10月2日は、ノンアルコールデーとして普及しています。
そのほかにもアルコールを飲まない日が多くあるので注意が必要です。
しかし、近代化が進む中、飲酒に関しても都市部や国際ビジネスマンの間ではオープンになりつつあるので、一概インド人全員が禁酒をしている、とは言えません。
念の為ジュースなどノンアルコールの飲み物も用意しながら、会食が始まる際にお飲み物についてお伺いすることは大切です。
なぜなら、目上の人の前ではアルコールを控えるという人も多く、TPOによって飲む飲まないを決める人もいるからです。
相手の信仰心を尊重してできるだけお酒以外の接待を企画しましょう。
インド人へのお土産
インドでは、初対面でお土産を渡す習慣がありません。
それどころか初対面で何か贈り物をするのは失礼にあたるので、お土産は交流が深まった後にお渡ししましょう。
反対に親しくなってから渡すお土産は大変喜ばれるので、お土産は重要な習慣とも言えるでしょう。
インド人に喜ばれるお土産としておすすめなのが、お菓子と日本らしい和雑貨です。
まず、お菓子は、デパ地下に売られているような、高級な日本のお菓子はインド人にとても人気があります。
インド人は甘いものがとても好きなので、お菓子は年齢を問わず喜ばれますよ。
しかし贈る時に注意が必要です。
ベジタリアンが多いインド人の中でも、卵は食べる人と食べない人がいるからです。
もしお相手が完全なベジタリアンであれば、日本の和菓子がおすすめです。
和菓子の中でも生地や餡の中に卵を使っているものもあるので必ずチェックが必要ですが、和菓子の多くはベジタリアン対応になります。
日本の和菓子の中には、羊羹や豆大福など動物性のものを一切使っていないスイーツが多くあります。
豆類の甘味もアジアの人には人気があるので、喜んでいただけますよ。
また、アレルギーを配慮した卵不使用のお菓子も日本では多く販売されていますよね。
インドではとても珍しいものになるので、大変喜ばれます。
そして、派手な日本風の雑貨もおすすめなんです。
個人的な趣味はもちろんありますが、派手な色味を好む国民性でもあるインド人。
なので、日本らしい侘び寂びを表現したものよりも、和柄の大胆な雑貨は大変人気があり、お土産としても人気があります。
お近づきの印としても、思い出の品としてもおすすめですよ。
インド人に喜ばれる日本文化体験
こちらでは数多くある日本文化の中から、インド人に特におすすめしたい日本文化体験をご紹介します。
着物体験
インドの女性は伝統的な衣装を身につけている人が多く、とても優雅ですよね。
来日されたインド人の女性の方にぜひおすすめしたいのが、日本の伝統衣装、着物体験です。
日本の着物は日本の文化の象徴。
とても艶やかで美しい着物に袖を通していただけば、より日本を楽しんでいただくことができます。
民族の衣装を身につけるということが自然なインド人の方だからこそ、より着物の魅力を実感していただけるでしょう。
インドの方は華やかなことへの興味がとても強いので、特別なお客様になら大奥風の着物の体験もおすすめです。
高価で珍しい着物は、とても高級感があり特別感があるので、おしゃれを楽しみたい女性にとても喜ばれます。
衣装を身につけて写真撮影もご用意すれば、とても楽しい記念になりますよ。
また、着物を身につけて体験できる日本文化は多くあります。
茶道や華道はもちろん、日本舞踊にもチャレンジしていただけるので、時間に余裕がある接待を企画検討されているのなら、着物にプラス日本文化を体験できる企画をおすすめしまします。
このように、着物を通しての日本文化体験は、より日本を楽しんでいただける企画になります。
おすすめ関連記事:
着物についての基礎知識や外国人向けおすすめ着物を着て楽しめる文化体験のご紹介記事になります。
【着物の歴史と基礎知識】外国人への説明の仕方と着付けによる日本伝統文化体験
【海外駐在員が説明】外国人が好きな日本の着物と人気の理由 14の着物基礎知識と体験事例6選
歌舞伎体験
プライベートの歌舞伎鑑賞はVIPや富豪層のインド人に喜ばれるおもてなしです。
まず第一に、VIPや富豪層のインド人にとって、特別な空間で日本文化体験を堪能することは、特別なお客様ということ体験していただけます。
お客様は神のように丁重におもてなしする文化があるので、こちらの心もとても伝わりやすいのです。
そして、日本伝統芸能である歌舞伎の鑑賞は、ある程度知識がないことには存分に楽しんでいただくことが難しくなります。
プライベート空間での歌舞伎鑑賞では、事前に歌舞伎役者から歌舞伎についての詳しいレクチャーがあるので、より深く歌舞伎を堪能できるのです。
そして、劇場に足を運ばないで歌舞伎を見ることができますし、お食事を楽しみながら歌舞伎を楽しんでいただけるので、ゆっくりとした時間をお届けできます。
このようにプライベートの歌舞伎体験は「特別」をじっくり堪能していただけるのです。
和菓子ワークショップ
インド人といえば、辛いものが大好きなイメージがあるのですが、じつは甘いものも大好きな人がとても多い傾向にあります。
和菓子のワークショップでは、実際に和菓子職人から和菓子の作り方を学び、とてもかわいらいしい和菓子を作ることができます。
一見難しそうですが、練り切りを中心に季節折々の和菓子を自分の手で作ることができるので、とても盛り上がりを見せますよ。
日本の季節に憧れを抱くインド人はとても多く、和菓子の中に表現される日本の季節感を堪能できるのも和菓子体験の魅力です。
自分で作った和菓子をお持ち帰りしていただくこともできますし、お茶室でゆっくりと茶道体験をしながらいただくことも可能です。
その時、人気の着物体験も取り入れても盛り上がりますよ。
このように、和菓子体験によって幅広く日本文化を楽しんでいただくことができるのです。
忍者体験
忍者によるエンターテイメントはとても華やかなので、派手好みのインド人に喜んでいただける 日本文化体験。
外国人向けの日本文化体験の中でも、幅広い年齢層から人気があるのは忍者体験です。
また、忍者エンターテイメントでは、大人数のパーティーや祝賀会において、華やかさと日本らしさを堪能できるので、大変に楽しんでいただいております。
エンターテイメントでは、忍者vs侍vsくノ一など、華やかな演出構成と、最先端の光と影の照明の演出により、迫力満点。
アクロバティックな忍者の動きに目が離せません。
このように、忍者体験は個人から団体まで、そして幅広い年齢層から人気のある文化体験となります。
日本各地で忍者体験ができる場所がありますが、やはりVIPの外国人におすすめなのは、プライベートの忍者体験。
モテナス日本では、その忍者の末裔から、手裏剣や吹き矢などの武芸を、鍛錬を積んだ忍者から実際に教えてもらうことができます。
忍者はアニメや漫画を通じて外国人の子供たちにも大人気ですので、お子様連れのVIPの方にもとてもおすすめです。
以下、忍者体験についておすすめの関連記事です。
芸者体験
芸者体験はインドの富豪層・VIPのお客様にお勧めです。
日本といえば芸者。
というイメージが未だ根強く残るインドでは、やはり芸者でのおもてなしが人気です。
芸者はおもてなしと接待のプロフェッショナルであり、彼女たちの素晴らしいおもてなし技術は日本随一とも言えるでしょう。
芸者は厳しい修練を積み、日本舞踊の正式な継承を引き継いでいるので、伝統芸能に興味深い人が多いインド人への接待にも大変喜ばれる日本芸能です。
特別感があり、接待だけでなく、個人のお誕生日パーティーや、大きな祝賀会にもふさわしくポテンシャルの高さが魅力です。
芸者は普段いちげんさんお断りの制度が残っています。
しかし、芸者体験をしてみたい外国人が多いので芸者体験ツアーなども企画されていますが、モテナス日本では、オーダーメイドの芸者体験をご用意させていただいております。
以下、オーダーメイドの芸者体験の詳しい記事になります。
[芸者でおもてなし]外国人が大喜び!イベントとしてお座敷遊びとパフォーマンス
【大切な人向けの特別な誕生日】パーティーを企画する方法とは?芸者でサプライズ!ー外国人富裕層VIP向け
芸者体験が気になる人はぜひご一読くださいね。
まとめ
今回はインド人の接待に必要なビジネスマナーとおもてなしのコツを紹介しました。
来日したインド人を接待にご招待するのなら、やはりおもてなしは超一流にしたいですよね。
インドでは清潔さとスピード感が重視され、お客様をとても丁重に扱います。
このような価値観は日本の国民性に通じる部分があるのではないでしょうか?
お互いおもてなしの心を持つ国の文化交流は、より深い絆がうまれることでしょう。
また、食事への制限が多い分、日本文化体験での接待は大変に喜ばれる傾向があります。なので是非インド人の接待に悩んだ際には、モテナス日本にご相談ください。
VIP富豪層接待のプロが、とっておきのインド人接待の企画をご用意させていただきますので、一緒に大成功の接待をご用意いたしましょう!
大学卒業後ロイター・ジャパンでSEとして勤務、その後ロイター・シンガポールでシステムマネージャーとして5年間勤務した後、オランダのビジネススクールで経営学を学び、日立製作所に入社。日立では新事業開発を担当し、中国での新事業や新興国での投資スキームを推進。11年間勤務後モテナス日本のサービスを運営開始し「世界と日本をもっと近づける」をモットーとして、日本文化体験を外国人向けに提供している。