海外からの賓客に対して、失礼の無いよう国際プロトコールを知っているのと知らないのではおもてなしの差は歴然です。
海外からの大切なお客様をお招きする際に必要な国際プロトコール。
国際プロトコールとは国際礼儀にあたります。
今回は国際プロトコールについて詳しくなって行きましょう!
• 国際プロトコールっていったいなんだろう?
• 国際プロトコールって聞いたことはあるけれど詳しく知らない。
• 今度外国の要人の方をお迎えするので国際プロトコールについてしりたい。
• どんな場面でどんな風に国際プロトコールをまもればいいの?
• 微妙によくわからない国際マナーで気をつけることって?
そんな疑問を解決できるよう、国際プロトコール、国際マナーについてお届けします。
さらに、 国際プロトコールや国際マナーについての悩みを、場面別Q&Aで具体的にお答えします。
それでは、国際礼儀プロトコール、国際マナーについて触れていきましょう。
国際プロトコールとは
マナーあるいはエチケットが、個人的な場面で相手に対しての礼儀であるとすれば、国際プロトコールとは、国家間の外交礼儀 。
国家間での礼儀作法は、文化や風習が違う者同士が気持ちよく過ごせるための基本ルールです 。
文化や風習の違いを超えた交流を快適にスムーズに行うためのマナー。
国際プロトコール上では、同じルールで過ごすことで生まれる安心感、そしてお互いを尊重しあえるので交流が深まります。
国際プロトコールの歴史
プロトコールの発祥の地はイタリアです。
最古のプロトコールは16世紀に書かれたジョバンニ デッラ ガーサによって書かれた[ガラテオ]と呼ばれる一冊のマナーブックでした。
これには、訪れる客人の習慣や宗教の異なる人たちに対して、挨拶の仕方、食事のマナー、振る舞いにいたるまで事細かに書かれています。
ガラテオにかかれているマナーはイタリアの貴族王族、宗教家にひろがり、そのままヨーロッパの中央集権国家に伝わりました。
時代は経て、大航海時代。
大英帝国のジョージ マッカートニーが、清の乾隆帝に拝謁をする際、清国の礼をとることを断り、英国女王に対するのと同じ片膝をつく礼式をします。
その日、無事に謁見は滞りなく進みますが,英国側の目的であった清の開講と英中通商条約の調印は実現しませんでした。
これは国家間の外交において儀礼の重要性を示す歴史的な事柄として、国家間での共通礼儀作法の重要性が浮き出される一件になります。
これを機に欧州において現在のプロトコールの基本が模索されてゆきます。
そして現在では席順、国旗掲揚、服装、食事マナー、敬称、など、1000項に渡る国際プロトコールがあります。
その中でも最も重要な国際プロトコール5原則は、必ず自然に使えるようになりたい国際プロトコールになります。
国際プロトコール5原則
では、国際プロトコール5原則について、観て行きましょう。
1 Local customs respected 異文化の尊重
相手の文化、風習、宗教、習慣を尊重すること。
相手の立場や文化の違いを尊重し、国の大小、人種にかかわらず全て平等に扱いましょう。
一人一人を尊重し、分け隔てのない対応を心がけましょう。
そして自国の文化や精神も正しく理解しておきましょう。
2 Rank conscious 序列重視
公式行事などでは序列があり、席次が定まっています。
出席者に対する敬意表現として、並び順、 入場順、挨拶など、全ての場面で序列が重視されます。
3 Right on the first 右上位
乗り物から席順、国旗の掲揚からエスコートの順番など、全てにおいて右側が上位になります。
4 Reciprocation 返礼 相互主義
からなず返礼をすること。
交流関係は必ず相互関係であること。
接待をうけたのなら、必ず接待の場を設けて同等のお返しをします。
5 Lady first レディー ファースト
宗教的な制限をのぞく全ての状況において、女性が優先される。
建物の出入り、乗り物の乗り降りなど。
国際プロトコールとマナー
ここでは1000項以上あるプロトコールのなかから、すぐに使えそうな国際プロトコールに従ったマナーについてご紹介します。
ドレスコード
ドレスコードとは主催者などが指定した服装のことで、公式な叙勲式や晩餐会など場所や時間帯にあわせた場の雰囲気にふさわしい服装の装いについてになります。
国際プロトコール上でのドレスコードは、招待状や行事主催者の指定に従うことが基本です。
基本のドレスコードは
• 夜 正礼装
男性は燕尾服、女性はロングイブニングドレスで袖無し、胸開き、踵まで隠れるロングドレスに値します。
• 夜 準正礼装
男性はタキシード、女性はセミイブニングドレス、ディナードレス
• 昼 正礼装
男性はモーニングコート、女性はアフタヌーンドレス。
光らない素材で長袖が基本。
• 昼 夜 略礼装
男性は平服のダークスーツ、ラウンジスーツ、女性はワンピース、スーツなど
エスコート
国際プロトコールに則った正しいマナーでのエスコートはお客様に対して敬意を払うことに値します。
場所のご案内をする際に、どうしてもお客様より先に歩く場面がでてきますよね。
そんなときは、お客様を必ず右におき、自分は2、3歩前を歩きながらエスコートします。
そしてレストランで席に案内する時は、店員が一番、二番目が上位者、三番目は自分の順番となります。
もし、店員がいない時は自分で上位者を席までエスコートします。
そしてお相手の歩調ペースに合わせる配慮も大切です。
早く歩きすぎてエスコートする側がお客様をおいていかないように気をつけましょう。
レディーファースト
国際プロトコール5原則にもある、レディーファースト。
欧米では日常的につかわれていますが、では一体どんな時にレディーファーストをするのが基本になるのでしょう?
• エレベーターやドアの出入り口の際は男性がドアを押さえ,女性が先に入る。
• 食事の際は女性を先頭にテーブルへ案内、し、女性の椅子を引き,着席を助ける。
• 車に乗る際も、男性がドアを開け女性が先に乗車。
下車の際も男性が先におりて女性のドアをあける。
• パーティーのレシービングラインがもうけられている時は、エスコートする男性がホストに女性を紹介します。
公式なパーティーでは男性が先にホストに挨拶をしてそのあとで女性を紹介します。
どちらがいいのか迷う場合は男性が先に挨拶することでかまいません。
など、女性の動きに合わせてさりげなく男性が振る舞うことが要求されます。
状況にあわせた国際プロトコールでの留意点 Q&A
では実際、それぞれの場面でどのようなポイントに留意して国際的なマナーそして、国際プロトコールを守って行けばいいのでしょう?
ここでは、状況や場面に応じた 国際プロトコールの疑問について、ポイント付きで解説します。
習慣、風習、儀礼について気をつけたい国際プロトコールQ&A7選
Q1 お礼状を書く時に注意することやお礼状の書き方について国際マナーはありますか?
A :パーティーに招待されたり、贈り物をいただいた場合には、必ず一週間以内にお返事を出すのが礼儀です。
礼状は長く書く必要はありません。
簡潔に謝意を表明することをこころがけます。
ポイント
• 礼状の形式は便せんに手書きの文章で手紙を送る形だけではなく、すでにメッセージが印刷されている礼状に著名を手書きで加筆する形式、印刷された文面の下の部分に肉筆でのサインをそえるもの。
そしてもちろんメールでの礼状を送るのも可能になりました。
もし迷った時は、一番丁寧な方法を選ぶことをお勧めします。
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Q2 ボディーランゲージで気をつけることはありますか。
A :ボディーランゲージは国によって表現する意味が違います。
それぞれの国でのボディーランゲージの違いから誤解が生まれるので気をつけましょう。
ポイント
• 日本のお金のサイン。
親指と人差し指で円を作る形ですが、欧米の多くの国ではOKといった意味になります。
フランスでは0をいみします。
• 手招きも国によって違います。
アメリカではさようならと手を振るジェスチャーとほとんど同じですし、ヨーロッパのほとんどの国では手のひらを上にしてひらひらとさせます。
日本の手招き、手の甲を上にした仕草は、欧米ではあっちに行きなさい。
という意味になるので気をつけましょう。
• イスラム圏では左手は不浄とされているので、左手で食べ物をサーブすることは絶対にさけましょう。
Q3 海外のチップのマナー習慣とはどのようなものでしょうか?
A :チップの習慣は国によってかなり違います。
必ずその国の習慣やマナーに詳しい人に直接伺うことが大切です。
出発前には現在の相場や状況をうかがっておきましょう。
ポイント
• アメリカではチップが必ず必要です。
状況や場面、サービスの質によって変動しますがだいたい10%〜20%になります。
Q4 外国人の方と握手をするときにどんなことに気をつければいい?
A :ビジネスの挨拶として握手をすることが基本です。
握手のルールを確認しましょう。
ポイント
• 初対面の相手と挨拶やビジネスでの挨拶は握手が基本です。
相手から握手を求められたら必ず握手で答えましょう。
• ただし、地位の高い人との挨拶では相手から求められるまで握手をもとめません。
男性は女性に握手をもとめない習慣でしたが,現在ではビジネス慣習の中で男女とも握手をします。
ただ,イスラム圏では男性と女性は握手をしません。
会釈で十分になります。
• 握手をする時は必ず相手の目をみましょう。
右手でしっかりと握ることが大切です。
弱い握手や目が合わさっていない握手は侮辱的な感じをあたえるので握手はきちんとしましょう。
Q5 外国要人に同行する案内者や通訳者は,国際儀礼上どのような点に気をつければいい?
A : 案内者や通訳者は外国要人に同行するため,国際プロトコールの乗り物やエレベーターの上位席、乗降の序列に関する基本的な考え方を抑えましょう。
ポイント
• 乗用車(職業運転手がいる場合)の最上席は,後部座席の右側です。
次に,後部座席の左側が2番目,運転手の隣(または後部座席の中央)が3番目の席とされています。
• ただし,日本は左側通行のため,乗車する人は左側のドアから乗ることが多く,上位者が後部座席の左側に座る場合があります。
その場合には,2番目の人は,車の右側から後部座席の右側に座ればよく,無理に上位者に右側の座席に移動してもらう必要はありません。
• 列車,飛行機,バスなどの乗り物の上位席です。
列車では,車両と車両の連結部から十分離れた中央で,進行方向に向かって右側の列の窓側の席をVIP席とすることが多いようです。
• バスや飛行機では,乗降しやすい前から2~3列目の進行方向に向かって右側の窓側の席が上位席とされることが多いようです。
個々の車体や機体の構造や安全面での配慮が加味されて決められますので,厳格な考え方は決まっていません。
• エレベーターでは,扉に向かって立った場合の右側の奥が最上位の位置とされています。
乗り物やエレベーターに乗降する順番は,上位者が先に乗り,先に降りるのが基本です。
ただし,エレベーターの場合,案内者が先に降りて要人を先導する場合もあります。
Q6:女性が帽子や手袋を着用するのはどのような時?
A:帽子や手袋の着用は自由に選択できるマナーです。
女性は日中の改まった行事に出席する場合、帽子や手袋を着用できます。
• デザイン、色、素材は自由で、服に合わせた物を選ばれます。
手袋はなしでハンドバックをさげても問題はありません。
• 日中、女性は室内でも食事のときでも帽子をはずす必要はありません。
ただ夜の行事では帽子はかぶりませんが、夕刻のパーティーにカクテルハットをかぶることもあります。
• 袖無しのイブニングドレスを着用する場合には肘が隠れる長さの白い手袋を着用されることがあります。
Q7 イスラム教のラマダン(断食月)の習慣について気をつけることはどのようなことですか ?
A : イスラム教徒には,年に1回,およそ1ヶ月に亘って,ラマダン(断食月)の習慣があります。
ラマダンは神聖な月とされ,人々は敬虔な気持ちになって行いを慎み,日の出から日の入りまでは飲食を断って心身ともに清めます。
このため,この期間中イスラム教徒を食事に招待することは控えます。
ポイント
• イスラム教徒にとって,ラマダン(断食月)は,神聖な月です。
イスラム暦(ヒジュラ暦)の第9月に相当する月の新月からラマダンが始まります。
この間,人々は敬虔な気持ちになって行いを慎み,日の出から日の入りまでは飲食を断って心身ともに清め,一層信仰心を高めます。
• 断食は日没とともに終わり,その後人々は「イフタール」(断食期間中の日没後の食事。
下記注参照)の前にお祈りを捧げ,家族や親戚,同僚や友達などとともに食事をとります。
一日中食事をとっていないため,まずデーツなどを一口食べてから,ジュースや水などで軽く胃を満たして徐々に身体を慣らしてから,食事をとるのが習慣です。
• このようにラマダンは,イスラム教徒にとって神聖な時期であるとともに,肉体的にも精神的にも大変厳しい時期であることを十分理解し,一般的な食事に招待することは控えるようにします。
プログラム、イベント、贈り物について気をつけたい国際プロトコールQ&A 6選
Q1 ビュッフェ形式の食事会は相手に対して失礼なの?
A : ビュッフェとは,客が自由に席を立ち,皿に料理を取り分ける形式で、立食と着席と両方の食事会が可能です。
給仕人が料理をサーブする形式の着席の食事会が最も正式ですので,ビュッフェはカジュアルな形式の食事会といえます。
主賓や招待客の顔ぶれや人数を考えて,どちらが良いかを検討しましょう。
ポイント
• 特に主賓をはじめ招待客の格が高く,正式な食事会が望ましい場合は,ビュッフェを避けるのが無難です。
ただし,会場の制約や招待人数などを考慮して,どうしてもビュッフェとなる場合は事前に主賓や主な招待客に対してビュッフェ形式になる旨を説明しておくのが丁寧です。
• また,一部の招待客が他の招待客より上客であり,接遇上の差別が可能な場合に限り,メインテーブルのみ給仕人によるサーブを実施することがあります。
Q2 パーティーの中で「お茶会」とは?
A : お茶会とは、午前や午後の早い時間にコーヒー、紅茶、ソフトドリンクを中心とした飲み物を楽しみながら行います。
サンドイッチや軽食にデザートなどが提供されます。
女性の集まりに多いですが女性に限った行事ではありません。
ポイント
• 主催者による挨拶や音楽演奏、エンターテイメントなどのプログラムもあり、開催時間はおおよそ1時間半〜2時間程度です。
• お茶会は立食形式が多いですが、テーブルが用意された着席式の会もあります。
着席の場合でも基本的に席は自由です。
出席者はプログラムや特別ゲストがいない場合、自由に退席できます。
Q3 外国の賓客が夫妻で来日する場合の「夫人(配偶者)日程」にはどのような例があるの?
A :賓客が夫妻で来日する際、賓客が会議や別日程に出席し、配偶者が個別の日程を必要とする場合には、「夫人(配偶者)日程」を別個に用意することがあります。
ポイント
• 本人の希望を踏まえることが第一ですが、この機会に日本の魅力を知ってもらうようなプログラムを入れると喜ばれます。
• 日本文化体験の人気が高く、ほとんどの来日で組み込まれています。
歴代の各国大統領夫人もお茶室でのお点前や、生け花体験など日本文化を堪能していただきました。
• その他、教育機関や福祉施設、医療施設への訪問もよく組み込まれるプログラムです。
日本庭園、美術館、博物館の訪問などあげられます。
Q4 外国賓客に対する贈り物選びにおいてはどのような点に気をつければいいの?
A :外国の賓客に贈られる品には、日本の代表的な工芸品が多く送られています。
ポイント
• その他、日本酒も人気がありますし、お相手の趣味や嗜好に関する日本のものや、両国の友好関係にちなんだ物などが選ばれます。
日本の家電製品やハイテク製品が贈られる事例もありました。
• イスラム教諸国の賓客にフィギュアや日本人形など偶像を選ぶことは絶対にさけましょう。
• 公職に就いている方に一定の金額を贈ることも受け取る側が罰則を受けるので気をつけましょう。
外国の政府関係者への贈り物選びにはその国の規則やルールを必ず事前に調べておきましょう。
Q5 レセプションとはどのような行事なの?
A :パーティーの形式の一つです。
ポイント
• レセプションとはパーティーの一つの形で立食形式の行事です。
通常、主賓、もしくはホストが会場入り口で客を出迎える「立礼(レシービング・ライン)」を行います。
最近ではレシービング・ラインを設けないレセプションも増えてきました。
客の規模やサーブする飲み物や食べ物の内容は自由です。
• 挨拶、乾杯や音楽、エンターテイメントなどはあっても無くても構いません。
ここでレセプションの流れを簡単にご紹介します。
1.開始
2.客に飲み物がサーブされます。挨拶がある場合は飲み物で乾杯して挨拶が終了するまでテーブルの上のたべものにはカバーがされています。
3.オードブルやフィンガーフードをボーイがトレイにのせて客の間をまわることもあります。
4.主催者や賓客による挨拶 終了したら食事が始まります。
5.引き続き歓談。あれば、音楽やエンターテイメントの用意
6.一時間半から2時間でレセプションは終了。頃合いをみはからって終了の合図として会場のライトを短く点滅させることもあります。
7.終了
Q6 海外からのお客様をお迎えした時,どのようなプログラムで迎えるの?
A :国際プロトコールの基本として、相手を最大限おもてなしする心でお客様を歓迎しましょう。
世界中どこの国も賓客に対して、その国や地域の特色を最大限にいたかしたおもてなしでお迎えします。
ポイント
• 国の特色や文化を様々な工夫を凝らしておもてなしすることで国を代表した最大限の敬意を表現します。
日本伝統芸能や日本をイメージするエンターテイメントなどがおすすめです。
• 伝統文化の紹介や特産物を使った郷土料理、観光地への案内など、文化や地方の代表的なことを海外の方にも思う存分楽しんでいただく工夫が必要になります。
食事、パーティー、テーブルマナーについて気をつけたい国際プロトコールQ&A 7選
Q1 着席形式の食事会を「レセプション」と呼んでもいいの?
A :着席形式の食事会はレセプションではなく、時間帯によって,「昼食会または午餐会(lunch または luncheon)」あるいは「夕食会または晩餐会(dinnerまたは banquet)」になります。
ポイント
• レセプションでは,行事の間,招待客は出入りが自由ですが、昼食会や夕食会は着席形式のため,招待客はあまり遅れずに到着し,行事終了までは原則として退出することができません。
• 招待された客にとって,行事名はだいたい何時間くらい予定をしておくべきかがわかる大事な情報です。
招待状を出す場合は,行事の名称を間違えないようにすることが重要です。
Q2 乾杯のマナーとはどのようなものなの?
A : 乾杯の際は全員が起立をして乾杯をします。
正式な乾杯はグラスの音をたてません。
目の高さにグラスを持って相手の目をみてグラスを掲げます。
ポイント
• 公式な食事の席での乾杯はデザートの前と食事のはじまりに行われる場合があります。
• 乾杯の挨拶は短い挨拶を心がけましょう。
目安は一分です。
Q3 会食を夫妻単位とするか,単身行事とするかはどのように決めるのでしょうか ?
A :主賓が夫妻で来日している場合で社交を目的とする会食の場合、夫妻単位としています。
逆に、主賓が単身で来日している場合や、実務を主たる目的とする会食の場合には、単身行事とすることが望ましいと考えられます。
ポイント
• 近年は、国際会議で複数の国の指導者が一堂に会することが増え、会食も「ワーキングランチ」といわれるように会議の延長のような実務中心の食事が増えてきました。
• そこで、実務と社交のめりはりをつけるために、夜の会食を夫妻単位の社交の場として、主催国の文化や産業技術を紹介するサイドイベントを開催するなどの工夫を加えるケースが増えてきています。
Q4 外国人を招いてホームパーティーを主催する場合の留意点は ?
A :外国人を家に招く時にも、大切なのはおもてなしの心です。
客が家庭的な雰囲気を楽しむことにありますので,いつもの家にお客様を招く気持ちでお迎えすることが,最大のおもてなしとも言えます。
ポイント
• パーティー当日は,日本の習慣に不慣れな外国人には,靴を脱ぐなどの習慣を説明しましょう。
また小さい子どもが寝ているので廊下では静かにしてほしい,タバコは家の中ですわないでほしい,など、あなたの家のルールをためらわずにはじめに説明しておくことが大事です。
• ホストの気配りとして大切なことは客同士の「紹介」です。
ホストが客の一人一人に積極的に声をかけて,皆が会話に入れるように最初に客同士を紹介します。
• ホームパーティーでは,ホストがキッチンとの往復や皿の片付けなどで,長い間客から離れていることはあまりお薦めできません。
• 事前に準備できる料理やオーブン料理などでビュッフェ形式にすると便利です。
もちろん,フォーマルな食事会や,人数が少ない場合には,ひとりひとりに料理をサーブしてもよいでしょう。
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Q5 海外からの賓客を招待する食事会のメニューで気を付けることとは?
A :海外の賓客を招待する食事会のためのメニューを作成する際は,賓客の嗜好や情報を事前に確認することが大事です。
• 宗教・倫理・健康などの理由により食べられない物や飲めない物,またアレルギーの有無などについて,できる限り正確に確認します。
• 賓客が複数の場合も個別に確認しましょう。
可能な限り配慮することが求められます。
• 例えばある賓客が菜食主義者である場合,主催者はその他の客に肉料理を準備してもよいのですが,菜食主義者の賓客には特別なメニューを用意することが求められます。
• ワインなどの酒類を提供する場合,宗教上の理由等でアルコールを飲まない賓客に対しては,最初からワイングラスを置かず,ソフトドリンク等を提供します。
Q6 パーティーにはどのような服装を着るの?
A :パーティーでは服装の指定があればそれに従います。
ポイント
• 指定がない場合、男性はビジネススーツ、女性はデイドレスが基本です。
デイドレスとは、普通丈のスーツ、ワンピース、アンサンブルなどのことです。
• あらたまった席では、男性はチャコールグレーまたはミッドナイトブルーのスーツ(ダークスーツ)、女性は落ち着いた色のスーツ、または絹や絹の風合いのワンピースを着ることが望ましいとされています。
Q7 外国の要人などを招待して夕食会はどのような点に注意して準備すればいいの?
A : 大切な準備として、招待客の決定、招待状、席礼、宴席の案内、行事次第、メニューがまず考えます。
ポイント
• 招待客の決定では何らかの理由で国同士の関係が悪い場合、同席や顔を合わせることを避けるような配慮も必要です。
• 招待状は、英語のみでもいいのですが,日本で行われるパーティーには日本語と英語、またはその他の外国語での案内状が好まれます。
• 席礼は客がスムーズに入室できるよう前もってお知らせしておきましょう。
人数が少ない場合はテーブルプランなどの図を入り口に掲示しておくと混乱がありません。
• 会をスムーズに進行するために詳細な行事次第と部門別の人員配置表を用意します。
• メニューも宗教上の理由など食事の禁忌を事前に確認しましょう。
プロトコールとおもてなし
プロトコールの最終目的は、相手の方が“心地よい”と感じていただけるおもてなしをご用意するためのルールです。
そしてプロトコールは世界共通のコミュニケーションツール。
言語のように使えれば、どんな大切なお客様に対してもいつでも冷静に丁重におもてなしの心でお招きすることができます。
プロトコールの基本精神である“相手に不快感を与えないような思いやりを配慮すること”は、おもてなしの精神と似ていますよね。
おもてなしは、日本のホスピタリティ精神。
そんなおもてなしの心でお相手の方を接待する時、大切なのはお相手の状況を察して差し上げること。
• 長旅でつかれていないか、
• 慣れない異国滞在でストレスを抱えていないだろうか、
• 異文化の中で窮屈なおもいをしていないだろうか。
• どんなことが好きなのだろう。
など、お相手を思いやることで、その方に必要なことが見えてきます。
そして思いやりの上にプロトコールを意識したおもてなしをご用意する。
プロトコールを学ぶことはお相手のためだけではなく、自分がホストとして恥ずかしくない立ち振る舞いを身につけ,なおかつ相手の居心地がいい場をご用意することができます。
それは国際コミュニケーションをさらに円滑にすることなります。
プロトコール5原則をベースに、必要に応じてその他のプロトコールを学ぶこと。
それはあなたらしいおもてなしをどんな大切な方に対しても申し分なく具現化する手段になります。
まとめ
プロトコールは公式的な国家交流の基本となりますが、正式な場ではなくても最低限のルールや約束事は知っておいて損はありません。
プロトコールを身につければ、ビジネスや個人の大切なお客様に対しても失礼のないおもてなしができるでしょう。
外国からの大切なお客様に対してオリジナリティが高く,かつ失礼のない対応やおもてなしをすることが可能です。
そして一番大切なプロトコールを忘れてはいけません。
それは笑顔で相手の目をよく見てきちんと話し挨拶をすること。
世界共通の気持ちのよいコミュニケーションの基本ですよね!
参考サイト
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